革命っていったい何だーい

未発表原稿

 「いやあ、やっぱ革命しかないっスよ」

 などと云っていると、「革命って何ですか?」と尋ねられるのは当然よくあることで、しかしながらそういう時、どう答えていいものか、ぼくはウームと困り果ててしまうのである。
 革命って何だろうか?
 普通、革命と云えば、集団で武装蜂起して政府を転覆し、政権を奪いとる、なんてことをイメージするだろうし、教科書で習ったような歴史上の有名な「革命」──フランス革命とかロシア革命とか、毛沢東の中国革命やカストロのキューバ革命なんてのはみんなそういうものだ。
 革命をやるというからには、ぼくもいずれは武器をとって起ちあがろうというのか?
 そんなことは気の弱いぼくにはとてもできそうもないし、そういうことがやりたいわけでもない。
 「じゃあどんなことをやるんですか?」
 ここでまた振り出しに戻ってしまい、「いやだからその、ウーム、困ったなあ」と口ごもることになる。
 何ももったいぶってるわけでも、秘密の陰謀があってそれを隠しているのでもなく、やはり革命しかないんだよーというモヤモヤした心情というものはあるのだが、それをどう言葉で表現すれば上手く伝わるのかが分からないのだ。
 いきなり結論めいたことを云ってしまうが、つまりぼくは、一体どうしていいものか分からなくて困っている人の集まりを作りたいのである。
 現状に対するモヤモヤとした違和感や苛立ち、焦りみたいなものがあるのだが、それを過不足なく上手く表現する手段が見つからないのである。既成の表現形式──「右」や「左」の反体制政治運動や、音楽、美術、写真、映画、文学、演劇など──に収まりきらないモヤモヤがあって、じゃあ仕方がないからそういった既成の表現形式の中から求めている形式にもっとも近そうなものを選んで妥協しようという気にもなれなくて、途方に暮れているのである。
 あ、そうだ。今思いついたんだが、たぶんぼくの云う「革命」とは、このモヤモヤを過不足なく上手く表現する、まだ見ぬ「形式」のことなのだ。この未知の「形式」のことをぼくは「革命」と呼んでいるのだ。そしてこの「形式」を求めてウダウダとグチをこぼしたり口ごもったり、黙りこんだり、突然何か思いつきをベラベラ喋りまくったり、やっぱそれは違うよなあと反省したりしながら日々試行錯誤を重ねるのが「革命家」で、ぼくはそういう「革命家」の集まりを作りたいのだ。